2020年6月

第285回 番組審議会

FM NACK5の第285回番組審議会は、新型コロナウイルス感染症感染防止の為、メール審査にて、6月9日に行いました。片岡直子委員長(詩人)、中島祥雄委員(大宮西武ビル代表取締役社長)、PANTA委員(ミュージシャン)、兼高聖雄委員(日本大学芸術学部教授)、青山正則委員(埼玉県県民生活部青少年課・企画・非行防止担当・主幹)、佐々木則夫委員(大宮アルディージャ・トータルアドバイザー)、安福順二委員(フリージャーナリスト)が参加して行われました。FM NACK5から、片岡尚代表取締役社長、水谷豊編成制作部長、山村太郎編成制作部担当部長、酒向高幸編制制作部次長・廣瀬紀子編制制作部次長,5名が参加しました。今回は、2020年5月24日(日曜日)8時から12時に放送しました「び~さんぼ~いず~Be SUNDAY BOYS~」を委員の皆様に試聴していただいた後、ご意見を頂戴しました。


今回の「び~さんぼ~いず~Be SUNDAY BOYS~」は、せっかくの日曜日をグズグズ過ごすなんて、
もったいない!!「日曜日を遊び倒せ!楽しみつくせ!」を、スローガンに立ちあがった2人の男。ケイザブロー&斉藤リョーツ!が、老若男女、そして、家族全員で楽しめる、“笑うこと”を大前提としたリクエストテーマ。また、「元気」「日曜日」「アウトドア」を意識したオンエア楽曲のテーマリクエスト、コーナーなどを設定して、日曜日の午前の常識を打ち破る圧倒的なバラエティーをお届けしていく番組になります。


委員の皆様からいただいたご意見は次のとおりです。


◎ 今回のびーさんぼーいずは、以前審議で聴いた時以上に安定感が増していて聴きやすかったです。内容も、今だから…のステイホーム川柳や、番組のコーナーの電話取材など、聴く者に寄り添っていて、さらに内容も充実していてお聴き得の印象がありました。パーソナリティーお2人の掛け合いは、安心感があるのですが、時々本気であれ?っと思っているのかな?と思えるような瞬間もあり、慣れが退屈になっておらず、お互いの佳さを引き出すテンポも絶妙で、ずっと無理なく聴いていられそうでした。季節柄・時節柄・番組柄?もあるかと思いますが、異なるシーンで、同じキーワード(「ウクレレ」や「背景」など)が出てくるのも、興味深かったです。スライドホイッスルの、クイズの曲名「宿命」は、答えられましたが、野球ファンにとっては、去年の「熱闘甲子園」のテーマだったので、去年もそうでしたが、今年は一層胸をつかまれる楽曲で番組の試聴を終えてからも、心に残りました。番組のコーナーで出演されていた「東洋の魔女」田村さんのコメントも「キラキラというより、ゴツゴツしていた」という言葉は、長年反芻…推敲されてきた表現と思われ素敵でした。


◎ 番組のオープニングが、今回募集しているテーマの「曲・タイトル・歌詞などに名前が入っている曲のリクエスト」と言う事で、スライ&ファミリーストーンかと思えば、ダンス☆マンの「よくある苗字「斉藤」」が流れ、日曜の朝の出だしとして最高でした。また、緊急事態宣言の解除の中で、コンビニのコピー機の手伝いをするという話題を聴いて、生活の中のほっこりする何気ない出来事を伝えてくれて、パーソナリティーお二人の話が、リスナーの心も癒してくれていると思います。テーマの説明で話していた、「メリーさんのひつじ」の話しで紹介していた、アメリカ詩人、サラ・ジョセファ・ヘイルさんの事は、知らなかったので、ずいぶんと勉強になりました。その後に流れた、「曙 武蔵丸&小錦」が、とても良かったです。亡くなってしまったこのハワイ出身の歌手「イズ」の特集をKONISHIKIさんの番組、LEALEA SATURDAYで特集してもらいたいとも思いました。あと、リスナーからのメールがつまらなく、せっかくのケイザブローさんや斉藤さんの躍動感あふれるアクティヴな日常が、そがれてしまう気がしました。また、コーナーで出演していた、東洋の魔女田村さんの話しのテンポと、真面目な話の対応に苦慮しているお二人が想像できました。こういう真面目な質問と誠実な応対を面白く聴かせるというのは難しいものだと感じました。普通のハワイアンとは違うという説明の後で、エルヴィスの「ブルーハワイ」を、リクエストした田村さんの気持ちや想い出などが聴けたら、もう少し曲の聴き方も違ったのでは無いかと思いました。ゲストトーク後の、フォローもとても良かったです。エンディングトークも、二人だけで喋っている勢いが、本来の番組趣旨と感じられる安心した終わり方になっていていいと思います。



◎ び~さんぼ~いずは、番組歴も長くなり安定した面もだいぶ出てきたように思います。あまり流行らない海の家で、昔からの店員さん二人が、いつも他愛のないおしゃべりをしている。そこにはビールあり、フランクフルトあり、たこ焼きありの、ごちゃごちゃな感じというのが番組の目指すところであれば、かなり出来上がっていると思います。特にこれと言って目立つコンテンツは無いけれど、なんとなく各コーナーに味がある状況になってきている印象です。割合に聞く機会が多い番組ですが、ちょっと気になるのは、ときどきお二人がゲストのインタビューや、メールの受けの時に、トンチンカンになってしまい、あまり話も噛み合わず、ふっと話題が消えてしまうことがあります。今回は、さほど気になりませんでしたが、番組の味だからということでもないと思っています。番組のコーナーのゲストが、今回は、田村さんのインタビューで大変に貴重で興味深かったのですが、できればもう少し根掘り葉掘りして欲しかったです。また「東洋の魔女」にこだわるのは事前の台本なのかもしれませんが、田村さんが「別に・・」とおっしゃるものを、また最後に持ち出さなくてもよいのではなかったでしょうか。むしろソ連ともう一度戦いたかったお話とかを、ご本人の言葉で聞きたかった気がします。番組全体が、このコロナの状況の中で、それを当たり前の物として飲み込み、いつもの番組の日常で包み込んでしまう所はとても好感がもてました。「新しい日常」などといっても新聞もテレビも何も方向が示せていない中、ラジオ番組だからこその仕事として素晴らしいなと感じました。リスナーがコロナに対応しながらも日々を生きていく糧になれると思います。



◎ ナックファイブで、長年聴きなれていて安心感のあるお二人のトークですが、その一方でマンネリ感が出てしまう危険性があると思うのですが、この度のコロナ禍で、世の中が大きく変化する中での放送である為か、以前から変わらぬ日常という安心感が、非常に心地よく感じられました。コピー機の話についても時事ネタの中で、ほっこりした良い切り口の話を持ってきていると思います。また、番組コーナーでの、田村さんのインタビューは、通常のトーンとは全く違う感じになっているのですが、パーソナリティーの斉藤リョーツさんが、真面目なインタビューもしっかり出来る事を見せる事で、良いギャップになり結果、良いアクセントになっているように思います。ただ、編集の加減かも知れないのですが、インタビューのやり取りの中で、少し食い気味に次の質問に入っているように聞こえた部分があり、聴きようによっては失礼な感じに聴こえてしまうので、そこについては少し気になったところです。全体を通して特に今回の非常事態宣言明けに聴く「びーさんぼーいず」は、大変聴きやすく感じました。



◎ 新型コロナの影響で、殺伐としたニュースを多く目にする昨今、コンビニでお年寄りのコピーを、10人以上お手伝いする人の話題や、コピー機での忘れ物がなくならない話など、ほっこりとする話題は非常に良かったと思います。 また器がちっちゃいグランプリでの、半額弁当の話題では、「本当にちいさい」と思えました。これらを嫌みなく伝えるお二人のパーソナリティーはとても安心して聴くことができました。番組コーナーで紹介していた、東洋の魔女田村さんのお話では、運動や教育に対する考え方の変化を伺うことができました。「回数を決めず、できるまでやるというのが基礎練習」という言葉は、スポ根時代に育った自分にとっても、学生時代に知っておきたかった考え方だなあと思いました。ステイホームの川柳で紹介していた「話より 背景気になる Web会議」は、まさに今の時代を反映しているのではないでしょうか。テレビ電話などでWeb会議に参加すると、どうしても家の壁が写り込んでしまう為、場所に苦労しました。こういった最新の題材から嫌みのない笑いを引き出す番組づくりは、とても素晴らしと思います。番組ラスト勝負での「自分と同じ苗字の有名人」で、「マサ斎藤」・・・。という終わり方。とてもツボにはまりました。番組は、全体を通して大変聴きやすく感じました。



◎今回の番組「び~さんぼ~いず」は、埼玉の私には、日曜日の朝の定番的存在です。朝のガソリンスタンドからも、車からも日曜日のライフスタイルにマッチした二人の声が、自然と耳に入って来ています。NACK5の顔的存在でもあるケイザブローさん、構成企画も笑顔になる番組でMCが楽しくなければ、リスナーも楽しめない感じがします。気になった点としては、今回の番組コーナーで、インタビューをされていた田村さんの時に、もっと楽しく深堀り出来れば良かったと思いました。また「器がちっちゃいグランプリ」の子供の判定コメントは、とても良いと思います。




◎「日曜を楽しもう!」という番組づくりの基本姿勢として、朝8時から12時までの4時間を「遊び倒せ」「楽しみつくせ」「笑うこと」などとしていてスローガンはいいと思います。パーソナリティーの、ケイザブローさんと斉藤リョーツさん2人の軽妙なトークと、リスナーからの投稿を交えつつ、様々な音響効果を絡めながら楽しさを求めた番組づくりの努力のあとが多々うかがえます。番組コーナーの「器がちっちゃいグランプリ」では、リスナーの投稿に「ちっちゃい」「だいぶちっちゃい」「ほんとにちっちゃい」などと面白がり、「おめでとうございま~す」のコーナーでは、リスナーからの嬉しい話に「おめでとうございま~す」と喜んだり、ステイホーム川柳でも「あるある!」とリスナーに同調してうなずいて楽しんでいたり、リクエスト曲のテーマ選びもユニークでいいと思います。笛を吹いて曲名を当てる「この曲な~んだ」のコーナーでは、38名もの正解者がいたのには驚きました。聴いていても、まったくわからず、わざとわからないように吹くのはやめてほしいと思えました。番組のコーナーで、紹介をしていた埼玉出身で「東洋の魔女」と呼ばれた、バレーボールの元日本女子代表チーム選手の田村(旧姓篠崎)洋子さんへのインタビューは、もっとも落ち着いて聴けました。田村さんがさまざまな質問に丁寧に応えていて良いひとときを得られました。田村さんのリクエスト曲がプレスリーのブルーハワイであったり、好物を聞かれ、笑いながら「手巻き寿司で〜す」と叫ばされていたのはなんとも微笑ましかったです。ただ、コロナ禍の折パーソナリティーが、スタジオから海へ、山へ、街へと、飛び出しての活躍ぶりや、新鮮な情報などを聴けなかった事や、全般的にバラエティー番組らしく楽しく愉快なのはいいのですが、反面、気になった点は、番組終盤に「睡魔に克つ」方法として「まぶたにセロハンテープを貼る」などのやりとりが、子供だましのように感じ、聴いていて素直に笑えず残念でした。

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