FM NACK5の第305回番組審議会が、5月10日にさいたま市浦和区内で行われ、片岡直子委員長(詩人)、中島祥雄委員(大宮西武ビル代表取締役社長)、PANTA委員(ミュージシャン)、兼高聖雄委員(日本大学芸術学部教授)、安福順二委員(フリージャーナリスト)、石井義行委員(団体職員)、堀口忠芳委員(埼玉県県民生活部青少年課・企画・非行防止担当・主幹)が参加して行われました。FM NACK5から、片岡尚代表取締役社長、森口達治編成部長、山村太郎制作部長、廣瀬紀子編成部担当部長、中山貴大制作部主任、5名が参加しました。今回は、2022年3月12日(土曜日)21時30分から22時に放送しました「THE BLACKBAND KOSOADO」を委員の皆様に試聴していただいた後、ご意見を頂戴しました。
今回の「THE BLACKBAND KOSOADO」は、THE BLACKBANDのメンバーの中村泰輔をメインパーソナリティーに据え、作詞・プロデューサー・執筆業・アレンジャー・ミュージシャン・作曲家・シンガーソングライターと多岐にわたり活躍する3名が、時には個人の視点で、また時には3人の視点で「自身の作品」について語ったり、「リスナーからのメッセージ」を軸にしてコミュニケーションを図ったり、「参加した作品のアーティスト」や「いま、気になるアーティスト」を迎え軽いテイストでありながらも、玄人が「音楽を語り合う」番組となっております。
委員の皆様からいただいたご意見は次のとおりです。
◎パーソナリティーの中村泰輔さんの本職は作曲家・ミュージシャンなので、他の方と比べると淡々とし抑揚の少ない話し方ですが、穏やかで聴きやすく楽しく聴く事が出来ました。今回の番組では「作曲家の仕事」を取り上げ、中村さんの本職である作曲家としてコンペ方式の楽曲の応募方法から、採用されて仕事になるまでの流れや今までの苦い経験・失敗談など音楽業界にいなければ知る事の無い事や様々な経験を基にコンペを勝ち抜く為に気をつけている事など、音楽が好きで奥深く知りたい人にはとても興味深い内容だと思うので、今後も音楽の世界を深く知りたいと思っている幅広いリスナーに向けて期待出来る番組だと思います。
◎Z世代特有の“スピード感”がある音楽番組を最近聴いていたので、今回の番組は最初からトークが暗く感じ、趣味の話から音楽の話まで終始とりとめの無い話が続き、正直聴いていて辛かったです。番組冒頭からの“同じ温度感”がこれまでに無かったので、逆にこの世界感に引き込まれた様に感じ、この温度感のトークも有りなのかと思いました。
◎番組出だしで“サバイバルゲーム”の話をされていましたが、今回のパーソナリティーに面白い話題は期待していないので、無理矢理トークを面白くさせようとするのは違う気がします。クリエイターとして素人と玄人の境目の話をしていましたが、プロの予備軍に向けて伝えられない事もあると思いますが、もう少し具体的な話が出来ればもっと聴き応えがあったと思います。
◎番組出だしの話が長く、いつコンセプトの本題に入るのか?と思いながら聴いていたので、もう少し話をコンパクトに出来たらいいと思います。今回は作詞・作曲の裏話をされていましたが、これから音楽を作っていきたい世代には参考になる話だと思います。ただ、コンセプトでもある“クロスポイント”は、どの場面なのかと思いながら聴いていましたが、結局楽曲をカバーした所だけだったのでよく解らなかったです。
◎パーソナリティーの中村さんは、クリエイターとして自分の世界を言語化する事に慣れている人だなと思います。こういう人は同じテンポで長時間喋れると思うので落ち着いた感じでいいのですが、全体的に引き算のし過ぎになってしまっていると思います。最後のカバーも何故このアーティストを選んだのか、など説明を入れられたら、この後に続く番組にも繋り土曜日の夜はNACK5を聴くとJ-POPに詳しくなれる、と思わせる様な流れになっていいと思います。
◎コンペの話題で、最初のイントロの出だしが重要だと解説をされていましたが、実際本当にその通りなのか?疑問に感じたのと、クリエイターとして説明していた事は理解出来ますが、伝えるべき大切な何かが抜けている気がしました。トークも聴き取りにくく楽しくないので、作品を作る側として説得力も無く感じ、企画と番組が合っていない気がしたので、番組を作る基本的な準備が足りない感じがしました。
◎番組として時間帯は合っていると思います。コンペの話も自分はこうする的な話だったので興味が沸きましたが、パーソナリティーの言葉が聴き取りにくかった事は、ラジオとしてよくないと思うので話し方の工夫が必要だと思います。全体的にテンポが同じな為、聴いている側が疲れてしまうので、メリハリを持たせる様に出来たらいいと思います。
2022年5月
第305回 番組審議会 報告
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