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サッカー日本代表、W杯敗戦直後は「誰も何もしゃべっていない」 密着映画監督が明かす舞台裏

 サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)の歩みを追うドキュメンタリー映画『サッカー日本代表映画「最高の景色」への挑戦』(11月20日公開)のトークイベントが3日、東京ミッドタウン日比谷のステップ広場で「第39回東京国際映画祭」屋外上映イベントとして開催された。元プロサッカー選手の那須大亮、元宝塚歌劇団花組トップ娘役の蘭乃はな、岸枢宇己監督、企画・プロデュースの矢花宏太氏が登壇。ペナルティのヒデがMCを務め、日本代表の戦いと、その舞台裏を記録する意義について語り合った。

【動画】『サッカー日本代表映画「最高の景色」への挑戦』本編冒頭特別映像

 本作は、2022年の「FIFAワールドカップ」カタール大会から「ワールドカップ優勝」を目標に進化を続けてきた日本代表の4年間を追った作品。今年の大会でベスト32敗退となったチームの姿を、中村敬斗、上田綺世、鎌田大地、伊東純也、長友佑都らのインタビューも交えて描く。劇中ナレーションは俳優の中村倫也が務める。

 この日は、前作『ONE CREATURE』を屋外上映。サッカーファンとして知られる蘭乃は、試合の感動がよみがえるとともに、その裏側を深く知ることができたと喜び、「テレビのインタビューでは聞くことができないくらい、選手の方々が赤裸々に自分の思いとか考えを話していて」と、選手たちの率直な言葉が印象に残ったことを明かした。

 どのように選手の思いを引き出したのかと問われた岸監督は、「引き出したというのはおこがましいですけど」と謙遜。自身も幼少期からサッカーを続け、攻撃の選手としてプレーしてきたことから、上田や鎌田らと「共通言語」を持っていたことがよかったのではないかと振り返った。

 特に鎌田については、普段は多くを語らない印象だったものの、質問すると饒舌に答えてくれたという。岸監督は、「普段から考えながら練習、試合をプレーしているかっていうことがよくわかった」と言い、代表選手たちが技術だけでなく、チームのために自分がどう役立てるかを常に考えていることに触れた。「本当に考える力がすごくて、人間力があって、チームにとって自分がどういうふうに役立つかっていうことを常に考えてわかっている方たちが集まるから11人以上の力になるということを改めて思った」と明かした。

 最新作の制作について、岸監督は当初からワールドカップ後を見据えていたと説明。「怒られるかもしれないですけど、2作目をやるために1作目があったというような感覚です」と制作の背景を明かした。

 一方、ブラジル戦直後のチームの様子については、自身はロッカールームに入っていなかったとしたうえで、チームから届いた映像に「誰も何もしゃべっていない、ほかの試合ではありえないような空気」が映っていたと証言。優勝という目標に届かなかった選手たちの姿も記録されていることをうかがわせた。

 矢花プロデューサーが大切にしたのは、鑑賞後にサッカーについて話したくなる作品にすること。「日本サッカーは強くなったとか、これからこうしたらいいんじゃないかっていうふうに皆様が語れるような作品を作りたかった」と、映画に込めた思いを語った。

 イベントでは、最新作の本編冒頭特別映像も上映された。映像は、「FIFAワールドカップ2026」のメンバー発表会見に向かう森保一監督の姿からスタート。代表メンバー発表の瞬間や、中村敬斗、上田綺世らのインタビューを通じて、選出に際しての率直な心境や、大舞台に懸ける思いが明かされていく。ミーティングでは、森保監督が「優勝するために集まっていることを忘れずに」と選手たちに語りかけ、世界の頂点を本気で目指すチームの覚悟を伝えている。

 蘭乃は「メンバー選出というところから、すでにドラマが始まっています」と語り、森保監督の言葉にも次第に熱がこもっていく様子に注目。三笘選手の負傷や遠藤航選手の離脱など、想定外の出来事も「想定外は想定内」と前向きに受け止めていく監督の姿勢に、改めて作品への期待を寄せた。

 また、矢花プロデューサーはナレーション収録時の中村の様子も紹介。「ナレーションを録っているとき、映像を見ながら、思わず副音声のようにたくさん言葉が出てくるんです」と明かし、自然と言葉があふれるサッカーの魅力を感じたと話した。

 岸監督は、大会中の練習や会見をチームの近くで見たことで、ワールドカップ特有の空気を肌で感じたという。劇場では大きなスクリーンと音に包まれながら、その感覚を体感してほしいと呼びかけた。

 最後に那須は、4年後のワールドカップへ向けてすでに歩み始めている選手たちに言及。「新しい景色を作るためには、みんなで一つの生き物として、どれだけ自分ごとにできるかっていうことが大事。新しい景色は見るものじゃなくて、みんなで作り上げるもの」と力を込め、「サッカーに関心のない方にも、必ず通ずるものがある」と、多くの人に作品が届くことを願っていた。