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満島ひかり、中島哲也監督と13年越し初タッグ「その時が来た」 撮影後は“満身創痍”

 俳優の満島ひかりが、映画『時には懺悔を』(8月28日公開)で中島哲也監督と初タッグを組んだ。約13年前に交わした約束が実現した撮影時のエピソードと、新たな場面写真が解禁された。

【画像】中野聡子(満島ひかり)の場面写真

 本作は、『下妻物語』『嫌われ松子の一生』『告白』などで知られる中島監督が、打海文三の同名小説(角川文庫/KADOKAWA)を映画化した作品。

 満島が演じるのは、西島秀俊ふんする探偵・佐竹三雄の助手として修業中の中野聡子。自らが起こした過去の事件と向き合いながら懸命に生きる、感受性豊かで情に厚い女性だ。殺害された探偵の死の真相を追う中で、9年前の新生児誘拐事件に、調査の範囲を超えてのめり込んでいく。

 満島と中島監督が初めて顔を合わせたのは、撮影の約13年前。当時、中島監督から「今度一緒に仕事しましょう」と声をかけられたことを覚えていた満島は、今回の出演依頼を受けた際、「その時が来たと思った」と振り返る。

 一方の中島監督も、聡子役について、満島以外の俳優は思い浮かばなかったという。「生き方が下手で、いろんな人とぶつかって、傷つけて、自分も傷ついて、誤解もされるけど、結局は聡子の行動がみんなを動かしていく」と、聡子という人物の魅力を語っている。

 脚本を「すごくいい」と感じた満島だったが、最初の衣装合わせでは、想像との違いに驚いた。探偵という役柄から、グレーや黒を基調とした目立たない服装を思い描いていたものの、用意されていたのは大胆な衣装とヘアスタイルだった。

 満島は「ヘアメイクや衣装は、役柄とすごく密接しているので、(監督は)私とはまったく異なる感性なのかもと少しひるみました」と、当時の戸惑いを振り返り、「私は、監督と同じように脚本を読めているかな」と、自身の役の捉え方を問い直したという。

 それでも自らの解釈に固執せず、衣装やヘアメイク、監督の演出を受け入れながら聡子に近づいていった。中島監督の演出については「演出の仕方がとっても好きでした」と明かす。

 中島監督からは、直接的な感情表現を極力抑えることを求められた。「あなたが泣いていると、“自分のことをかわいそうに思っている人”に見えるから泣かないでね」と伝えられ、涙ではなく、怒りや焦り、苛立ちへ感情を向けるよう注文されたという。

 ある場面で涙が止まらなくなった際には、「まだ泣いちゃうね、ちょっと涙を止めよう」「また泣いちゃったね。止めよう、頑張れ!」と声をかけられた。満島は「すごく難しかったけれど、その演出が面白かったです。自分の人生とも照らし合わせて、泣いてばかりいちゃいけないなって思いました」と笑った。

 「監督はすべての俳優さんに対して、それぞれの性質を十分に分析した上で、求めるものをはっきりと伝えるんです。本番でちょっとでも気になることがあったらOKは出さないので、その判断を信じて自分も力強くいようとしていました」と回想。

 そんな撮影が始まってからの満島は、頭で芝居を組み立てるよりも、体と心で役を受け止める状態になっていったという。

 「クランクインしてから頭が働かないというか…。体と気持ちがメインになっていて、もちろん自分でもそれを望んでいたのですが、監督自身が役柄やお芝居の“脳みそ”になってくれるので、私は自分の体と心を、話すせりふの内容とか、演出に近づけるような状態に持っていきました」。

 撮影を終えた時の心境を「満身創痍」と表現した満島。「聡子という役への演出を通して、たくさんの景色を見せてもらえたと思っています。現実と地続きの世界にまっさらに向かい合った、そんな撮影だったと感じます」と語っている。