『乃木坂46 久保史緒里 卒業コンサート』が、26・27日に横浜アリーナで開催された。今回はDay1の様子をレポートする。
【ライブ写真一覧】あまりに美しい…雪のように白い久保史緒里
ライブの開幕を告げるOVERTUREのVTRは、「2025.11.26」の新横浜駅から始まる。そこから電車に乗って、“久保史緒里”の軌跡を辿りながら過去へとさかのぼる。行き着いたのは「2016.04.24」の山形駅。それは、ライブの後半で久保から語られることになるが、このライブを見て「乃木坂46に入りたい」と決意したという、山形県・やまぎんホール(山形県県民会館)で開催されたアンダーライブの日程だ。これから卒業コンサート2日間を通して、久保がアイドル人生そのものをライブで表現していく。
OVERTUREが終わると、ステージ後方から薄暗い中姿を現したのは、人力車に乗り、白い狐のお面をかぶる久保。和傘を持つほかのメンバーたちとともに、仰々しく、妖艶に客席の間を通過し、メインステージへ。全体的に和の様相のステージをつくりあげると、お面を取った久保がセンターとなり、始まったのは1曲目「不等号」。2016年のアンダーライブの1曲目と同じ楽曲で、始まりから久保らしさが光る驚きの演出となった。
そして続くのは「生まれたままで」、「13日の金曜日」、「My rule」、「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」というアンダー曲たち。選抜メンバー・アンダーメンバーが入れ代わりながら披露していく。
6曲目「なぜ 僕たちは走るのか?」から7曲目「熱狂の捌け口」、8曲目「I see...」、9曲目「毎日がBrand new day」までは、6期生から3期生までの期生曲を久保も参加してパフォーマンス。5期生楽曲の「熱狂の捌け口」では、久保と一ノ瀬美空の“親分子分”コンビでWセンターが実現した。
次の曲からはユニット曲ブロック。「Hard to say」では岩本蓮加とのWセンター、「意外BREAK」では梅澤美波、田村真佑、弓木奈於の同い年3人組と、「せっかちなかたつむり」では吉田綾乃クリスティーらとかわいさ全開で、そして西野七瀬のソロ曲「光合成希望」は中西アルノ・奥田いろはとともに3人で披露した。
このブロック最後の「言霊砲」は、“いもうと坂”と呼ばれた久保・大園桃子・山下美月・与田祐希の4人のユニット曲。3人はすでに卒業し、今回は久保がソロで歌唱したが、ステージにはほか3人のサイリウムカラーのスポットライトが当てられるという粋なサプライズもあった。
そして15曲目の「シンクロニシティ」で、同ライブ初の表題曲。久保にとって初めて選抜メンバーに選ばれた楽曲だ。この「シンクロニシティ」をはじめ「ごめんねFingers crossed」「Actually...」「涙がまだ悲しみだった頃」「孤独な青空」「好きというのはロックだぜ!」は、久保以外のメンバーがセンターを担当。
「Actually...」ではセンター・中西と久保のWシャウト会場にが響き渡り、「好きというのはロックだぜ!」では、賀喜遥香が間奏で「久保久保久保久保久保史緒里!乃木坂と書いて久保史緒里!ずっとかわいいよ史緒里!」と、話題となったコール&レスポンスを披露。会場のファンもきれいにそろったレスポンスで盛り上がった。
このライブ当日である26日に発売された久保の最後のシングル「ビリヤニ」も、今回初選抜の6期生・瀬戸口心月&矢田萌華がWセンターを務め、楽曲の終わりには久保がセンターの2人を紹介するという、メンバー愛溢れる場面もあった。
ここで卒業10日前に撮影したというVTRが流れる。加入から1年、2017年にある曲をもらったというが、当時はその曲の意味が分からなかった。「でも、9年経って、今この瞬間のことを想像して私たちに授けたのかな」という言葉のあとに流れたのは、3期生曲「未来の答え」。間奏では久保が「9年経って私たちも大人になったね」と同期に語りかけ、梅澤は「これからの久保の未来も、私たちの未来もとっても楽しみだね!」と笑顔になった。
24曲目「帰り道は遠回りしたくなる」では、久保と同い年の遠藤さくらとペアダンス。センターステージから、メインステージで踊るメンバーの姿を見て、きょう初めて涙を見せた。遠藤と手をつないでメンバーのもとに戻ってきて、センターで歌う。「好きだった この場所 大切な思い出」。
「羽根の記憶」ではこれまでの乃木坂46としての“記憶”たちがメインスクリーンに映し出され、本編最後の曲「君の名は希望」では、久保が「これからの乃木坂46がずっと希望で満ち溢れていますように」と願った。
アンコールは、久保のスピーチから始まった。冒頭の山形県で観たアンダーライブが乃木坂46へ加入するきっかけだったことを明かしつつ、「大好きで尊敬してやまない先輩の大切な歌を歌わせていただきたいと思います」といい、ここ、横浜アリーナで同じく卒業コンサートを行った1期生・生田絵梨花の最後のソロ曲「歳月の轍」をソロ歌唱。乃木坂46の歴史と先輩の意思を継ぎ、9年という轍に感謝を込めて歌った。
その後は久保の笑顔で終えたいという思いからか、明るい楽曲たちを披露していく。1日目最後の楽曲に選んだのは「ひと夏の長さより…」。メンバー一人ひとりへの一言メッセージとともに、残りわずかなメンバーとの時間を大切に過ごした。そして最後は「最高に楽しい初日でした!」と初日を笑顔で締めくくった。
■『乃木坂46 久保史緒里 卒業コンサート』DAY1セットリスト
M0. OVERTURE
M1. 不等号
M2. 生まれたままで
M3. 13日の金曜日
M4. My rule
M5. あの日僕は咄嗟に嘘をついた
M6. なぜ 僕たちは走るのか?
M7. 熱狂の捌け口
M8. I see...
M9. 毎日がBrand new day
M10. Hard to say
M11. 意外BREAK
M12. せっかちなかたつむり
M13. 光合成希望
M14. 言霊砲
M15. シンクロニシティ
M16. ごめんねFingers crossed
M17. Actually...
M18. 涙がまだ悲しみだった頃
M19. 孤独な青空
M20. 好きというのはロックだぜ!
M21. ビリヤニ
M22. 未来の答え
M23. 泣いたっていいじゃないか?
M24. 帰り道は遠回りしたくなる
M25. 羽根の記憶
M26. 君の名は希望
【アンコール】
EN1. 歳月の轍
EN2. サヨナラ Stay with me
EN3. 甘いエビデンス
EN4. ひと夏の長さより…
■久保史緒里 プロフィール
2016年9月に3期生として乃木坂46に加入。20thシングル表題曲「シンクロニシティ」で初選抜され、32ndシングル「人は夢を二度見る」では自身初センターを山下美月とWセンターで務めた。俳優としても22年公開の映画『左様なら今晩は』で映画初出演にして初主演を務め、以降、NHK大河ドラマ『どうする家康』(23年)、NHK連続テレビ小説『あんぱん』(2025)などに出演。2022年2月からは『乃木坂46のオールナイトニッポン(ANN)』のパーソナリティーを務め、卒業コンサート初日を終えた26日深夜には卒業回を生放送した。