森七菜主演、長久允監督のオリジナル映画『炎上』2026年春公開決定 新宿歌舞伎町が舞台の物語

 俳優・森七菜が主演を務め、長久允(ながひさ・まこと)監督がメガホンを取るオリジナル長編映画『炎上』が、2026年春に公開されることが決まった(配給:NAKACHIKA PICTURES)。あわせてティザービジュアルと特報映像も解禁された。

【動画】森七菜主演、映画『炎上』特報映像

 本作は、新宿・歌舞伎町を舞台に、家族関係に苦しみ家を飛び出した少女がSNSを頼りにたどり着いた街で、自らの居場所と意思を探し続ける姿を描くオリジナル脚本による作品。主人公・小林樹里恵(じゅじゅ)役を森が演じる。

 森は「自分自身がどこにいるのか分からなくなる撮影期間でしたが、彼女たちの強さを守るために進んだ1ヶ月半でした。見てくれた方がこの物語をどんな風に捉えるのか想像がつきません。だけど私たちから何も奪えないことを、地獄には知ってほしい」とコメントを寄せた。

 監督・脚本を務める長久は、短編『そうして私たちはプールに金魚を、』で第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門グランプリを日本映画で初受賞。長編デビュー作『WE ARE LITTLE ZOMBIES』も第35回サンダンス映画祭で日本映画として初めて審査員特別賞(オリジナリティ賞)を受賞するなど、国内外で高い評価を受けている。

 本作について長久監督は「新宿歌舞伎町のニュースを見て現場を取材し、彼女/彼らの物語を書くべきだと思った」と制作の動機を説明。5年間温め続けた企画で、リアルさを追求するため実際の歌舞伎町でのロケを敢行したという。

 「シリアスな物語ではあります。でもあの広場のように騒がしく、キラキラとした映画にもなっています。森さんをはじめ俳優陣、カメラ、照明、美術、衣装、ヘアメイク、音楽、サウンド、編集のすべてが素晴らしく絡み合っています。どうか映画館で観ていただけたらうれしいです」と呼びかけた。

 解禁されたティザービジュアルでは、森が憂いを帯びた表情でカメラを見つめ、特報映像ではおぼつかない足取りで街を歩く姿を映し出すなど、作品の空気感を感じさせる内容となっている。撮影はすでに終了し、現在は仕上げ作業が進められている。

■主演:森七菜のコメント(全文)

 歌舞伎町炎上。この物語は彼女たちだけのもので、自由も地獄も私も、全部誰にも渡さない。
 あっちもこっちも地獄だけど、全部きらきらのアスファルトの上にひっくり返してその中から宝石を探す時間。
 自分自身がどこにいるのか分からなくなる撮影期間でしたが、彼女たちの強さを守るために進んだ一ヶ月半でした。
 見てくれた方がこの物語をどんな風に捉えることになるのか想像がつきません。
だけど私たちから何も奪えないことを、地獄には知ってほしい。

■監督:長久允のコメント

――映画『炎上』を制作しようと思ったきっかけについて

 新宿歌舞伎町のニュースを見て、現場を取材し、彼女/彼らの物語を書くべきだと思ったことがきっかけです。
 本作を作る中で取材をして出会った、さまざまなバックグラウンドを抱えている彼女/彼らとの対話から、その背景と反比例するような軽妙さで時を過ごしている姿に、その生き方に「強さ」を感じるとともに、またその社会的背景にも憤りました。その後、面白おかしくこの場所を描くコンテンツをいくつも見かけ、そこに違和感を感じ、改めて、この作品を作る覚悟を決めました。

――映画を楽しみにしている方へメッセージ

 シリアスな物語ではあります。でもあの広場のように騒がしく、キラキラとした映画にもなっています。森さんをはじめ俳優陣の演技、カメラ・照明・美術・衣装・ヘアメイク・音楽・サウンド・編集の全てが素晴らしく絡み合っています。どうか映画館で見ていただけたらうれしいです。