ハリウッド俳優ブラッド・ピットが伝説のF1レーサーを演じる映画『F1/エフワン』(6月27日公開)より、先日、メキシコで行われたプレミア時のブラッドのコメントを紹介。あわせて、キャスト・スタッフによる特別映像が公開された。作品の持つ人間ドラマの深さと、F1の臨場感を両立した本作は、映画界とモータースポーツ界が注目する一作となっている。
【動画】映画『F1/エフワン』舞台裏シリーズ(興奮のドラマ編)
本作は、F1界に電撃復帰した伝説的ドライバー、ソニー(ブラッド・ピット)と、自信過剰な若きルーキードライバー、ジョシュア(ダムソン・イドリス)が同じチームで優勝を目指す姿を描く。F1は2人1組で構成される10チーム20人が競う“個とチームの競技”であり、彼らの関係性は仲間でありながらライバルでもあるという複雑なものだ。
メキシコプレミアに参加したブラッドは「『F1』には物語がたくさんあります。一人一人にそれぞれの探求があり、戦う相手もそれぞれです。人生というものは、未解決の事柄が巡り巡ってきて、再びそれらに向き合わなければならないんです。それが僕の考えるソニーの物語です。彼らはどのように戦い、ルールの中でどうすれば勝てるチームになれるのでしょうか?この映画にはまだまだ多くの物語があります」と語り、本作におけるキャラクターとドラマの重厚さ、重要さを強くアピールしていた。
本作の制作にはF1の全面協力を受け、世界各国の実際のサーキットでレースシーズン中に撮影を実施。ブラッドも「F1レースシーズンにドライバーたちやチームと一緒に撮影できたことは本当に素晴らしい経験でした。何十年もこの仕事をやってきましたが、こんな経験をしたことはありません。感謝し続けます」と、本作ならではのスケールとリアリティに心震わせたことを明かしている。
レースシーンでは『トップガン マーヴェリック』を超える最新技術が導入され、コックピットの視点や時速300キロを超える高速走行の迫力をリアルに再現。演者も本物のF1マシンを操作できるよう、数ヶ月にわたり特訓を積んだ。今回解禁された映像でもその片鱗を味わうことができる。
映像内でブラッドは、ソニーについて「型にはまったやり方が嫌いだ」と説明。ドライビングテクニックは超一流だが、時に反則スレスレで勝利を手にするなど、どこか破天荒な人物だ。
そんなソニーを「型破りで計算高い策士」と評するジョセフ・コシンスキー監督。「最終戦までに優勝しなければチームは終わる」(ブラッド)、「2人にとっては1戦1戦が背水の陣だ」(チームのオーナーでソニーの戦友でもあるルーベン役のハビエル・バルデム)という状況の中、一見型破りに思えるソニーの行動は、彼なりの経験と理論に基づいたものであり、負け続きのどん底にあったチームは、次第に勝利に向かって団結を強めていく。
本作のプロデューサーでもある現役F1ドライバー、ルイス・ハミルトンは優勝経験のある選手ならではの視点から「何としても優勝をもぎ取ろうとする」と、どんな手段を使ってでも優勝を目指すドライバーたちの心情を代弁。後がない状況をソニーたちはどのように覆していくのだろうか。
一方で、「最終戦が迫り2人は互いに必死だ」(ダムソン)と、ソニーとジョセフの溝はなかなか埋まらないよう。「ソニーにはジョシュアが昔の自分と重なって見える」とコシンスキー監督の含みのあるコメントも切り取られている。レースのスリルのみならず、ベテランとルーキーがぶつかりながらも成長していくドラマ性にも注目だ。