11/9 ADVANCE EARTH 放送後記

科学研究の世界には、
仮説が証明された「ポジティブな結果」の論文は発表されやすい一方、
証明できなかった「ネガティブな結果」は発表されにくい、という
「出版バイアス」と呼ばれる傾向が存在します。

これでは、別の研究者が同じ失敗を繰り返してしまい、
時間やお金の無駄遣いにつながってしまうという
リスクを孕んでいるため、
学術誌『Discover(ディスカバー)』は、「ネガティブな結果」の論文を
積極的に掲載する方針を打ち出しました。

研究結果がポジティブなものだったかどうか ではなく、
“その方法が科学的に正しいか”を重視し、
「これでは、うまくいかなかった」という情報そのものが、
次の研究者にとって、「この道は違う」と教えてくれる
貴重な道しるべになるのです。

この『Discover』誌の取り組みは、
単に、発表されていなかった研究結果に
日の目を浴びさせるだけではありません。
何が「価値ある研究」なのか、という
科学界の評価基準そのものを問い直す
素晴らしい試みです。

「失敗」を“未来の糧”に変えていく姿勢が、
社会全体の進歩につながっていくことでしょう。

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【今日の1枚】

エコな自販機は今や珍しくありませんが、
「CO2食べてます」
のメッセージに負けました。
同じことを伝えるとしても
心に訴える力、
大事にしたいと思います。

では、また来週!

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