5人組アイドルグループ・ACEesの深田竜生が主演、浮所飛貴が共演するテレビ朝日系オシドラサタデー『夏色の雲が恋と嵐をまきおこす』が、12日放送の第10話でいよいよ完結する。高校3年生・武宮夏輝(深田)と姉のボーイフレンドとしてやってきた家庭教師・小早川蒼汰(浮所)の初々しくかわいらしい恋模様を丁寧につむいできた今作のスタッフ陣に、現場での2人の奮闘ぶりや夏輝と蒼汰が出来上がるまでの裏側をインタビューした。
【写真】深田&浮所は涙をこらえながらあいさつ…蒼汰&武宮家クランクアップの模様
参加してくれたのは竹園元監督(1、2、5、9、10話担当)、宮田和弥監督(3、4、6話担当)、樹下直美監督(7、8話担当)、さらに神田エミイ亜希子プロデューサーの4人。単独初主演を飾った深田、そして竹園監督とは『トモダチゲームR4』(2022年7月期)など4度目のタッグとなり、俳優としてのキャリアを持つ浮所。同じグループで活動する2人だからこそ創り出すことができた夏輝と蒼汰の絶妙な距離感に迫る。
■泣く芝居では「もう1回やらせてください」と志願
――改めて浮所さん、深田さんの現場での様子を教えてください。
竹園:最初は、深田さんはこれまでお芝居のキャリアが長いわけではないからこそ、逆に彼のフレッシュさ、新鮮なお芝居を引き出せたら良いなと思っていました。浮所さんは、僕自身もう4度目の機会なのですが、お芝居のキャリアもあって、最初に会った時から自分が成長してるところを見せたいという感じがあり、自分で演技プランも考えてきてくれたんです。それを聞いて、相談しながら進めていきました。2人は基本的に普段から一緒にいる2人の良さを活かしつつ、夏輝と蒼汰の距離感を意識しながら撮っていきました。
――ほぼ連ドラ経験のない深田さんを浮所さんがサポートする場面はありましたか。
竹園:アドリブになるときは浮所さんから仕掛けている感じですね。特になにかをアドバイスするみたいな感じはなくて、浮所さん自身、深田さんの芝居を楽しみに目の前で見ていたという感じ。照れもあったと思いますけど、2人ならではのお芝居のセッションを楽しんでいるんじゃないかな。楽しんでくれているといいなと思っていました。
宮田:浮所さんに関してはすごく綿密に演技のプランを練ってきてくれて、すごく真面目で真摯に向き合っている印象でした。深田さんの方は、その場でいろいろ自分で演じながら見つけていくスタイルだったので、それぞれキャラを作っていく方法が違うなと感じました。
樹下:とにかくお2人の雰囲気がすごく良かった。とても和やかな現場で、お2人の持つフレッシュなオーラに感化され、周りの共演者の方もみんな2人を支えたいという感じがすごく強く、ほがらかでした。私が担当する頃には、すでに何話かを撮ってきたので、浮所さんが深田さんをサポートするというより、割と対等な感じ。特に私が担当した回はデート回だったのでハッピーオーラがあり、夏輝と蒼汰が見つめ合うシーンでは、少し長めに見つめ合ってほしく「5秒ぐらい見つめといて」と言うと、お互い「お前、チキんなよ!(笑)」と言い合いながら楽しそうに演じていました。同時に離れてほしかったので「カウントダウンしてやりましょうか」と話をしたのですが、「俺たちのタイミングでやらせてください」と言うので「もうここは同じグループだし一緒にダンスもやってるし、絶対に呼吸が合うはずだよね」とお任せしてみたら、本当に何度も全く同じタイミングで離れていたので、仲の良さを見せていただきました。
――普段から同じグループで一緒にいるからこそのコンビネーションを感じましたか。
樹下:デートのなかでは、テニスのシーンがあったのですが、浮所さんはすごくテニスがお上手なのですが、深田さんは前日まで練習をする時間がなく撮影に臨むことになりました。浮所さんが撮影の隙間で深田さんに向かい合って練習してくださいました。深田さんの伸びが半端なくて!とても上達されていました。やっぱり2人の息が合っていて、さすが一緒にグループでやっていらっしゃるなと思いましたね。
――なにか現場では2人から自らアイデアや提案はあったのでしょうか。
竹園:今作では結構、泣く芝居が多いのですが、「お芝居は問題ないのでこれでいいんじゃないか」というときでも「もう1回、やりたいです」と言ってくれました。5話の告白シーンなども「もう1回やらせてください」と、2人ともなかなか根性があるというか、ステージに立っていらっしゃるだけある。とてもチャレンジングでした。特に後半は2人が積んできた呼吸みたいなものが出来上がって、深田さんのお芝居のキャパシティが広がってきたことを感じました。
――初々しくてかわいらしい2人のキュンとする距離感を描くにあたってどんなところを意識していますか。
神田:脚本の松田裕子さんと相談しながら「ちゃんと人を好きになる」というテーマにのっとって、全体の中の恋模様のトーンを作っていきましたが、例えば、ほっぺたにシールを貼るとか、プリクラを撮るとか、一緒に台所でお皿洗いをするとか、台本で読んだ時よりも、2人が演じた時の方がずっとかわいくてキュンとするシーンが多かった。やっぱり、すごいなって思いました。現場で見て、2人がやって初めて「お皿を洗ってるだけでもこんなにかわいくてほほ笑ましくて、こんなにキュンとするんだ…」「恋するって素敵だね」という気持ちにさせられます。例えばお皿を運ぶところで「手伝うよ」みたいな会話や目配せ、日常の何気ないやり取りがすごくかわいらしく映し出されていて、監督たちと現場で作り出された間の埋め方や空気感は、見ていて楽しかったですし、お2人もすごく自然に演じてくださっていました。
――監督からみて、そんな2人の空気感が現れたオススメのシーンを教えてください。
竹園:蒼汰が初めて家庭教師としてやってきたシーンですね。食卓での2人の距離感と、勉強してる時にちょっと近づいたり…最初の方はかなり細かく距離感を意識してやりました。宮田監督回のベッドの横で座った2人の距離感、樹下監督回のベンチでだんだん近づいていくところ、先ほどのお話にもあったお皿洗いのシーンなど、絶妙な距離感が表れていると思います。
神田:蒼汰が最初にリビングで家庭教師としてやって来るシーンでは、深田さんに「どれどれ…」みたいな感じで近づいてほしいと竹園監督が浮所さんに指示をして、「椅子を持って深田さんの方にちょっとだけ移動する」という流れをできるか聞いたんですよ。浮所さんは「できますよ」とやってみたのですが、その少しだけ近づく仕草でドキッとさせる。ほんの数センチ近づくだけでもこんなにときめくシーンに仕上がるんだと思いました。また2話の課外授業で蒼汰がパッと立ち上がって飛行機を指差すシーンは、どのように動いたら距離が近づいて、夏輝をドキドキさせられるか…どこからどの角度から手を出したらいいかな、と2人で試行錯誤されていて、本当にナチュラルに深田さんが「ひゃっ」となるような動きができていて、最初から同じグループで活動している関係性があるから、こちらが指示しなくとも、ドキッとさせたいという監督の意図をくみ取って、自分たちで探っていく姿が印象的でしたね。
竹園:セットアップのとこだったので、そこは大事にしました。
宮田:僕の担当した3話のほっぺたにシールを貼るシーンは、クランクインをしてまだ間もない頃で、お互いのテンポ感や空気感がまだ現場では出来上がってない中での撮影でした。だからこそ、ちょっと緊張感がありつつも、徐々に距離を近づけていく感じは見ていてすごくいいなぁと思いました。2人の関係性が現れるような絵になったんじゃないかな。2人もモニターを確認しながら満足そうでした。1歩近づいて、ちょっとゆっくりめに貼る…みたいな動作の焦らしも、浮所くんが深田くんの反応を見ながら演じている感じがあって、お2人ならではの間の取り方でできたんじゃないかな。
樹下:個人的には、なんでもない、2人がただ歩く8話の冒頭です。それぞれの思いをある程度伝え合った後、「この2人の関係についての名前を探し合っていこう」みたいな話をした後の互いを意識しながらも、なんてことない会話をするシーン。とにかく2人の表情が豊か。心の声と実際に現れている表情がとても豊かで好きでした。あとは、先ほど竹園監督がおっしゃってくれた通り7話のラストのベンチのシーン、距離が詰まっていくところも、その距離に関しても浮所さんとはかなり話をして進めたシーンではありましたが、個人的にはそういう8話の冒頭みたいな、なんでもない2人の歩きっていうのがすごく好きですね。
神田:私は樹下監督の回で、橋のところに走ってくる2人がすごく好きなんですけど、超ベタなのになんかさわやかでかわいくて。ただ、「なんで夏輝はこんな変な格好してるんだろう」と(笑)。主題歌をモチーフにした動物柄のTシャツを着ているものの、コーディネートが超派手だったんですよね。監督は指示してないそうですが、SNSでも「夏輝ってトンチキな恰好してるよね」と話題になっていました。ごめんね、深田くん…と思っていたら「(深田くんは)なんでも着こなすね!」とポストしてくださっていた方もいたので救われた気持ちです(笑)。
――深田さんと浮所さんの役者さんとしての魅力みたいなものをどんなところに感じられているか、教えてください。
竹園:深田さんは本当にスポンジのように、フレッシュなところからお芝居から始まって、伸びしろがどれぐらいまでいくのかなと。浮所さんも、もちろんお芝居を考えながら探るなかで、発声もお芝居もちょっとずつ本当に進歩してきている。今後、どういう俳優さんになっていくか楽しみです。幅広い役ができるようになるんじゃないかな。
宮田:現場で大変な環境でも、自分たちのお芝居をいかによくしていくかに集中してくれましたし、2人が持つ気質、芸に対してストイックに向き合う姿勢、それが、やっぱりチームとしても彼らのために頑張んないといけない、と思わせてくれる存在でした。そういうところが魅力的でしたし、今後の現場や作品でも、きっと彼らの存在がポジティブに働く作品が増えていくんじゃないかな。
樹下:浮所さんは台本にないところもちょっと「こういうのはどうかな」と相談するとさらにもう1個乗っかって別のアイデアを出してくれます。そして深田さんは照れ屋さん(笑)。同じグループだからこそかもしれませんが、見つめ合うシーンでは、必ずなっちゃん(夏輝)から目をはずす(笑)。浮所くんは深田くんを見て笑っているんですけど、夏輝から毎回はずしちゃうので「今のだとちょっと見つめ合いが足りないから、あと3倍か4倍ぐらい見ててほしいんだけど」というと深田くんは「わかりました!やってみます!」と言いながらも、2倍ぐらいですぐ目線をはずしちゃう(笑)。やっぱり、恥ずかしいのかなと思いながら話をしてたんですけど…(笑)。
神田:先に浮所さんが「これ、キュンとするね」と言って、深田さんの方が「キュンとしないもん!」みたいに言ってる感じが現場ではありましたね(笑)。深田さんは照れ屋さんなんでしょうね。
樹下:でも本当に深田くんは伸びしろが半端ない。ナレーションもすごく上手になっていくので、びっくりしました。逆に、ここに引っかかるんだ…みたいなことを意外と気にしてたりすることもあり、人としても面白いなと思いました。
竹園:撮影の序盤は2人とも忙しくて、ACEesのライブをやりつつ、ドラマもやりつつ…で何日間かドラマから離れる時があったんですね。戻ってきたときに、せっかく積み上げてきた夏輝と蒼汰ではなく深田くんと浮所くんになっちゃっていた。でも9話、10話では、同じようにライブから帰ってきても、ちゃんと夏輝と蒼汰になっていた。「ああ、なっちゃん、そうちゃんになってる」と思えて、2人がこの役をつかんだということじゃないかな、とうれしかったです。
――いよいよ物語も佳境になります。最終話の見どころを教えてください。
竹園:冒頭でちゃんと人を好きになるっていう、どういうことなのかなっていう答えが10話かけてやっとたどり着きますので、それを何より楽しみにしていただきたい。
神田:同じグループメンバー同士なので、もちろん2人とも仲がいいし、よく知っている間柄ではあるのですが、夏輝と蒼汰という視点で見た時に、ちゃんと関係が話数ごとに積み上がっていって、最後と1話では明らかに違う2人の雰囲気が出ています。その変化みたいなものを楽しんでいただけたらうれしいです。
現場では深田さんも浮所さんも仲良しですし、グループも一緒だし、というのはあるけど、べったり2人でいつも一緒にいるのではなく、ちゃんと周りの他の役者さんや監督、それぞれがちゃんとそれぞれで話をして、役を自分の中で消化して作っていく過程がいいなぁと思いました。ちゃんと夏輝と蒼汰としていようと、努力していらっしゃいました。2人とも全然違ったキャラではありますが、バランスの良い2人に見えますし、そんな2人のかわいいところを最後まで楽しんでもらいたいです。現場のアドリブにも臨機応変に対応したり、アイデアを出し合うなど細かい芝居がいっぱいありますので、そういったところを想像しながら楽しんでいただけたらうれしいなと思います。