映画『栄光のバックホーム』の追悼上映会が18日、2023年に28歳で亡くなった元阪神タイガース・横田慎太郎さんの命日に合わせ、全国106館で開催された。大阪ステーションシティシネマでは主演の松谷鷹也と秋山純監督が登壇し、横田さんへの思いを語るとともに、横田さんが“奇跡のバックホーム”を見せた9月26日から1週間限定で再上映されることも発表された。
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同映画は、横田さんの自著『奇跡のバックホーム』と、母・まなみさんら家族と歩んだ闘病の日々を描いたノンフィクション『栄光のバックホーム』を原作に映画化。21歳で脳腫瘍を発症し、引退を余儀なくされた横田さんが、最後の試合で見せた“奇跡のバックホーム”に込めた思いや、その後も病と向き合いながら懸命に生きた軌跡を描く。2025年11月28日の公開以来、延べ394館で上映され、観客動員約129万人、興行収入約17.6億円を記録した。
本編上映後、横田さんが現役時代に実際に使用していたグローブを大切に抱えて登壇した松谷は、「今日という大切な日に皆さんと時間を共有できることを幸せに感じています」とあいさつ。「慎太郎さんが亡くなられて今日で3年が経ちますが、改めて慎太郎さんとずっと一緒に走ってきた3年だったと感じています。こういう日に追悼上映を行うことができ、全国各地でたくさんの方と時間を共有できることをとてもうれしく思います」と語った。
秋山監督は、大阪ステーションシティシネマが全国で最も多くの観客を動員した劇場だったことを明かし、「去年11月に上映がスタートして、長い間上映していただいたことも感無量ですし、今日という大切な日にこの場に立てることを本当に幸せに思っています」と感謝を伝えた。
観客とのQ&Aでは、「心に残っている横田さんの言葉は」と問われた松谷が、「病気になられてから『いろんな方に助けてもらったので、これからはそういう人の力になりたい』と、僕の目をまっすぐ見て言われた時に、神様みたいな方だと思ったのを覚えています」と回想。
秋山監督は「『映画が完成したら絶対に観に行きます』と言ってくださっていたのに、映画が間に合わなかったことは悔いが残っていますが、慎太郎さんと一番話していたのは『なぜ北條(史也)選手が1軍にいないのか』という話題でした。慎太郎さんが『気合入れときます』と言っていたのを思い出します」と振り返っていた。
また、この日、日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎で行われるファーム公式戦でファーストピッチを務める松谷に、観客から「横田さんも天国で見ていると思います。真っすぐをど真ん中に投げてください」とエールが送られると、松谷は「一生懸命投げたいと思います」と力強く応えた。秋山監督は「いい球がいくと思います。ズバッといかなかったらヤジを飛ばしてください」と冗談を交え、会場を笑わせた。
さらに、「映画館で泣くのが怖くて観られなかったが、追悼上映を機に初めて観ることができた」という観客に、松谷は「うれしいですね。追悼上映をしてくださらなかったら観ることがなかったと思うと、やって良かったと思いますし、1人でも多くの方に慎太郎さんの生き様を届けたいと思ってやってきたので、伝わってうれしいです」と応えていた。
そして、舞台あいさつで毎回恒例となっているサインボールの投げ入れが行われた後、横田さんが“奇跡のバックホーム”を見せた9月26日から本作を1週間限定で再上映することが発表された。上映ではエンドロール後に特別映像も追加される予定で、会場からは大きな拍手が送られた。
締めくくりに松谷は、「慎太郎さんの生き様を1人でも多くの人に届けられるよう、まだまだ頑張っていきたい。この映画を観て感じたことを胸に、1日1日を大切に楽しく生きていただけたら」とメッセージ。横田さんの登場曲であり、本作の主題歌でもあるゆずの「栄光の架橋」が流れる中、登壇者と観客は空に向かって手を振り、横田さんを偲びながら追悼上映会は幕を閉じた。