オリコン・リサーチでは年末年始を挟んだ集計となった週間ストリーミングランキング(集計期間:2025年12月29日~26年1月4日)の再生数をもとに、昨年12月30日放送のTBS系『輝く!第67回日本レコード大賞』(以下、レコ大)および、12月31日放送の『第76回NHK紅白歌合戦』(以下、紅白)での歌唱楽曲の再生回数増加数を調査した。視聴者に刺さり、ストリーミング再生の行動につなげた楽曲は果たして…?
【一覧表】『紅白』歌唱曲 組別のストリーミング再生数増TOP10
本調査では、レコ大および紅白で歌唱された全楽曲(ストリーミング配信されていない楽曲は除く)を対象に、放送前2日間の平均値、放送当日と翌日の2日間の平均値の増加数(以下、増加数)を比較した。
■レコ大放送後増加数1位はMrs. GREEN APPLEのV3達成曲
まず、レコ大歌唱曲の増加数1位は、番組のクライマックスでMrs. GREEN APPLEがバンド史上初の3連覇を成し遂げた日本レコード大賞受賞曲「ダーリン」(2025年1月20日配信開始)だった。「オリコン年間ストリーミングランキング」で2025年度配信楽曲1位(総合4位)ともなった同曲が華々しいフィナーレを飾り、放送前2日間(12月28日・29日)の平均再生数(以下、放送前と略す)70.4万回に対し、放送当日&翌日の2日間(12月30日・31日)の平均再生数(以下、放送後と略す)は89.5万回と、19.1万回も伸ばし、注目度の高さをうかがわせた。
続いて増加数2位は、優秀作品賞を受賞したBE:FIRSTの「夢中」(同4月25日配信開始)。“踊らないBE:FIRST”として、メンバーの歌唱力、表現力の高さで改めて注目を集めた同曲は、放送前79.1万回→放送後84.6万回と5.5万回増加した。
3位は優秀作品賞を受賞したILLITの「Alumond Chocolate」(同2月14日配信開始)。SEKAI NO OWARIのNakajinが作詞作曲した同曲は、“推し”への熱い想いや恋心を歌った楽曲。放送前17.5万回→放送後22.4万回と4.9万回増となった。
最優秀新人賞を受賞したHANAが披露した「Blue Jeans」(同7月14日配信開始)は4位。笑顔と涙の歌唱となり、なかでもCHIKAが涙で歌えなくなるシーンが視聴者の感動を呼んだ。同曲は放送前90.7万回→放送後94.9万回と4.2万回増加した。
■紅白放送後は米津玄師「IRIS OUT」が急騰 HANA、サカナクションも
紅白歌唱曲の放送前2日間(12月29日・30日)の平均再生数(以下、放送前と略す)と、放送当日&翌日の2日間(12月31日・1月1日)の平均再生数(以下、放送後と略す)を比較した増加数1位は、米津玄師の「IRIS OUT」(2025年9月15日配信開始)だった。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌として米津が書き下ろした同曲は、紅白が初披露の場となった。銀座の夜景をバックに同映画のシーンを彷彿とさせる演出が散りばめられ、SNSで話題沸騰。ダンサーとしてHANAが参加したことでも話題を呼び、放送前154.2万回→放送後198.0万回で43.8万回増。1/12付週間ストリーミングランキング(集計期間:2025年12月29日~26年1月4日)では男性ソロアーティスト史上初の16週連続1位記録を更新する大反響となった。
増加数2位は、紅白前日にレコ大で最優秀新人賞を受賞、デビューイヤーに紅白初出場となったHANAのデビュー曲「ROSE」(同4月2日配信開始)。歌唱力とパフォーマンスで人気を勝ち取ってきたグループらしい圧巻のパフォーマンスで視聴者を惹きつけ、放送前81.0万回→放送後1049.7万回と23.9万回増。週間ランキングでは16週ぶりにTOP5に返り咲いた。
3位は12年ぶりに紅白出場となったサカナクションの「怪獣」(同2月20日配信開始)。2024年10月~25年3月にかけてNHK総合で放送されたアニメ『チ。-地球の運動について-』の主題歌として話題を集め、25/3/3付週間ストリーミングで自身初のTOP3入りを果たした同曲は、放送前55.5万回→放送後75.6万回と20.1万回増となった。さらに、サカナクションが披露したもう1つの楽曲「新宝島」(2015年9月30日配信開始)は放送前19.2万回→放送後29.0万回と9.8万回増。2曲とも大きな反応を得た。
4位~9位まではレコ大でも披露された楽曲で占められた。増加数4位は4年連続4回目の出場となったBE:FIRST「夢中」(17.5万回増)、5位は初出場のアイナ・ジ・エンド「革命道中 -On The Way」(17.4万回増)、6位は初出場でトップバッターを務めたCANDY TUNEの「倍倍FIGHT!」(16.4万回増)、7位は2年連続出場となったILLIT「Almond Chocolate」(16.3万回増)、8位はデビュー10周年の節目に紅白初出場となったM!LK「イイじゃん」(15.5万回増)、9位はYOASOBIのikuraとしても活動し、ソロでは初出場となった幾田りら「恋風」(12.3万回増)と続いた。
■レコ大&紅白歌唱曲の再生数増加数上位10曲
レコ大および紅白歌唱曲の再生数増加数上位10曲はグラフのとおりとなった。10曲の中で増加率が最も高かったのは、ILLITの「Almond Chocolate」だった。バレンタインデーの配信当時には届いていなかった層にも年末のタイミングで耳目を集め、“推し”に対する想いへの共感を得た同曲の増加率は約2倍(193%)となった。増加率2位はM!LK「イイじゃん」(160.7%)、同3位はCANDY TUNE「倍倍FIGHT!」(146.8%)と続き、年末にインパクトを残した。
紅白の組別増加数TOP10(特別企画枠はTOP3)は以下のとおり。紅組の6~8位は、ちゃんみなの歌唱曲「NG」と、HANAとの感動的なコラボとなった「SAD SONG」で占められた。「NG」は自身がプロデュースを務め、HANAが誕生したオーディション『No No Girls』のテーマソング。「SAD SONG」は『No No Girls』の最終審査でHANAのメンバー7人を発表後、ファイナリスト10人とともに歌った楽曲。ストリーミングではオリジナルバージョンとYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で一発撮りしたバージョン双方の再生数が増加した。