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高杉真宙、金髪ジョッキー役から一転、“優しすぎる長男”に 演技の振り幅を見せる主演映画の場面写真&お茶目なオフショットも

 近年出演作が相次ぐ俳優の高杉真宙が主演を務める映画『架空の犬と嘘をつく猫』が、2026年1月9日より全国公開される。本作のワールド・プレミアの場となったエストニアの「タリン・ブラックナイト映画祭」で撮影賞に輝いた本作より、高杉演じる主人公・山吹の新たな場面写真とメイキング写真が到着した。

【画像】メイキング写真に残るお茶目な姿

 原作は、『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞にノミネートされた寺地はるなの同名小説。弟の死をきっかけに現実から目を背けた母を中心に、家族それぞれが嘘を抱えながらも共に暮らし続ける羽猫家の約30年の物語。『愛に乱暴』で世界の映画祭を沸かせた森ガキ侑大監督がメガホンをとった。

 主演を務める高杉は、24年のNHK大河ドラマ『光る君へ』に出演。今年は映画『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』、『盤上の向日葵』が続けて公開されただけでなく、連続ドラマW『夜の道標ーある容疑者を巡る記録ー』への出演やテレビアニメ『野原ひろし 昼メシの流儀』での声優挑戦も発表されるなど、幅広い分野で活躍中。特に、今秋、TBS系で放送されたドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』では、ジョッキー・佐木隆二郎役の熱演。金髪姿で勝負にこだわる勝ち気な一面と、馬と心を通じ合わせる繊細な部分を巧みに表現し、大きな話題を集めた。

 本作で高杉が演じるのは、“不都合な真実”から目をそらし、それぞれの嘘を抱えながら“家族”として暮らす羽猫家の長男・山吹。ときに「家族をやめたい」と思いながらも、ただひとり家族と嘘に向き合い続ける、心優しい青年だ。優しさゆえにひとりで苦悩を抱え込んでしまうこともあるが、静かに成長していく山吹の姿を、高杉は確かな演技力で体現した。

 役作りにあたっては、物語の舞台である佐賀に合わせて佐賀弁にも挑戦。イントネーションの細かな違いを一つひとつ確認しながら、自然に役へと溶け込む丁寧なアプローチを重ねた。高杉は「山吹は元から優しい人なのではなく、責任感とか誠実さによって優しくなければいけない、と自分に言い聞かせてきたんじゃないかと思うんです。彼が生きてきた人生に寄り添うことができればと思っていました」と語っている。

 森ガキ監督は高杉との現場を振り返り、「役づくりをガチガチに見せないタイプなんです。“やってきてませんよ”みたいな雰囲気でスッと入ってくる。でも、カメラが回るとちゃんと役に向き合っているのが芝居で分かるし、考え方も鋭い人だと思いました」とその誠実な役作りに全幅の信頼を寄せていたそう。

 実は、キャスティング段階から「山吹役には彼しかいない」と満場一致で声が挙がっていた高杉。困っている人を自然にサポートする“素の姿”が、受け身で不器用ながら人を思う山吹と重なったと言われるほどで、森ガキ監督は高杉との初対面時「こんなにピュアな人がいるのか」と心を打たれたことも明かしている。

 このたび公開された場面写真やメイキング写真では、山吹の優しさあふれる日常の断片と、和やかな様子で撮影合間に談笑する高杉ら撮影チームの姿や、お茶目な姿でポーズを取る高杉の素の表情を見ることができる。また、必死に涙をこらえる山吹の姿も収められており、不完全な家族の嘘と愛に向き合い続けた先に待つ展開が気になる画像も含まれている。

 共演には、山吹の幼なじみで恋人となる佐藤頼役に伊藤万理華、初恋の相手・遠山かな子役に深川麻衣。さらに、母・雪乃役に安藤裕子、姉・紅役に向里祐香、父・淳吾役に安田顕、祖母役に余貴美子、祖父役に柄本明らが顔をそろえる。ヒコロヒーや、佐賀出身のはなわも出演し、物語に彩りを添える。

 不完全で、やっかいで、それでもどこか愛おしい家族の姿を、森ガキ監督が繊細な眼差しで描き出す本作。観る者の胸に静かな温かさと、ささやかな希望を残す一作となりそうだ。