阿部寛、身も心もボロボロに――逃走距離50キロの熱演 SNS時代のえん罪の恐怖を描く『俺ではない炎上』

 9月26日から公開中の映画『俺ではない炎上』。現代社会に潜む「炎上」の恐怖を描くノンストップ・サスペンスが幕を開け、全国映画動員ランキング(9月26日~28日の3日間集計、興行通信社調べ)で8位に初登場した。劇中で昼夜を問わず48時間、約50キロを逃走し続ける主人公を、俳優の阿部寛が体を張った熱演を見せている。

【動画】謎の大学生・サクラ役で芦田愛菜も出演――本編特別映像

 第36回山本周五郎賞候補となった浅倉秋成の同名小説が原作。SNSで根拠の乏しい情報が<真実>となり大きな事件へと発展する、現代のえん罪の恐怖を描いた意欲作。

 物語の主人公・山縣泰介は、ある日突然、SNS上で殺人犯に仕立て上げられたエリート会社員。無実を証明するため逃亡を続ける中で、社会の視線や人々の欲望、そして自らの過ちと対峙することになる。走るごとに体力だけでなく精神的にも追い込まれていく山縣。弱音を吐きながらも走り続ける姿に、観客は否応なく引き込まれる。

 阿部はインタビューで、「本編では、泰介が必死で逃げるんです。その中にサスペンスの要素もあるけれど、コミカルさも含まれていて、いろんな人物の弱さから何か出てくるわけですよ。だからこそ、人間味が出ていて面白いなと思っています」と語っている。