ジャズピアニストの菊地雅章が1981年に発表したアルバム『ススト（Susto）』が、6月4日より日本を含む各国の音楽ストリーミングサービスで配信開始された。戦後日本のジャズ作品が“和ジャズ”として世界的に再評価される中、同作も歴史的名盤として注目を集めている。
【画像】日本を代表するジャズピアニストのひとり菊地雅章
『ススト』は、スペイン語で「突然の恐怖」を意味するタイトルを持ち、菊地がマイルス・デイビスの影響を受けながらも独自に昇華したジャズ・ファンク作品。総勢17名のプレイヤーとともに制作され、日野皓正やスティーヴ・グロスマンらが参加。複雑かつ緊迫感のあるグルーヴが展開され、マイルスの『ビッチェズ・ブリュー』『オン・ザ・コーナー』などの系譜に連なる前衛的なサウンドと、当時台頭していたレゲエやダブ、ポストパンクの要素をも感じさせる独特の音響世界を築いた。90年代以降はクラブ・ミュージックの文脈でも評価が高まっている。
あわせて、復刻アナログ盤も同日リリース。ソニー・ミュージックによる高音質＆忠実なアートワーク再現を掲げるアナログ・シリーズの第11弾としての発売で、マイルス・デイビスのエレクトリック期を代表する『ビッチェズ・ブリュー』の復刻盤も同時に登場している。