アニメ『呪術廻戦』の映画『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』が、30日に公開されることを記念して、主題歌アーティスト・キタニタツヤのオフィシャルインタビューが公開された。また、劇場版総集編の公開日30日より、主題歌「青のすみか (Acoustic ver.)」の楽曲配信が決定となったほか、6月2日放送のTBS「CDTVライブ!ライブ!」への出演も決定した。
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――『劇場版総集編』で、再び「青のすみか (Acoustic ver.)」が主題歌として決定いたしました。改めて、本作へのご参加が決まっての感想をお聞かせください。
『呪術廻戦 懐玉・玉折』には「青のすみか」が合っていると感じていただけての再びのご指名だと思うので、純粋に「嬉しい」という気持ちです。自分としても「青のすみか」=『呪術廻戦 懐玉・玉折』と捉えてしまっているので、劇場版でもお任せしようと思ってくれたことは本当に光栄です。
――「青のすみか」も作品の世界観にハマっていましたが、今回はAcoustic ver.ということで、より作品の切なさを増長させる楽曲になっていると感じました。
アニメはオープニングテーマということで、本編に入る前に曲が流れます。なので、物語の方向性を匂わせてしまうような「切ない曲」や「爽やかな曲」と一辺倒にしたくなかったんです。「懐玉・玉折」は爽やかな青春を描いている中に、えげつない展開も織り交ざっている物語。そんな青春時代を五条悟が思い返している構造になっていたので、楽曲も明るく爽やかな中に、どこか淡い切なさを孕んだ質感を持たせたいと思いました。しかし、今回の劇場版総集編では主題歌として本編を観終わった後に流れます。結末を知った上で流れる楽曲ということで、切なく悲しい方向に重心を偏らせてアレンジし直しました。
――楽曲を制作、または歌唱する上で、作品のどんなところを大事にして作られたのでしょうか。
曲を聞いた時に抱く印象を、原曲とは全く違うものにしたいと考えました。そのため、アレンジや歌い方もガラッと変えています。ただ、作品の違和感にだけはならないようにしなきゃと思い、アレンジを加えながらも作品の雰囲気を壊さないように気を付けて制作しましたね。
――本予告ではすでに、新たなアレンジで制作された「青のすみか (Acoustic ver.)」の楽曲が流れています。映像とあわせて本予告をご覧になってみて、いかがでしたか?
すでにアニメで見ていたシーンなのに、ここまで印象が変わるのか!という驚きがありました。もともと「懐玉・玉折」自体が不思議な質感を持っていて、ぱっと見ると爽やかな物語だけど、じっくり世界観に触れるととても切ないじゃないですか。オープニングテーマとして作った「青のすみか」は疾走感があって爽やかな印象が強かった分、今回のAcoustic ver.は切なく悲しい印象に寄っていて、なんだかこの2曲で「懐玉・玉折」の物語がより奥深いものになったような感じがしました。
――『呪術廻戦』に対する印象や、好きなキャラクターを教えてください。
全体的に「暗さ」を持った作品だという印象を持っていますが、その暗さは世界観というより、人間の暗さを表しているように感じます。起こっていることの原因を辿っていくと、現代を生きる我々も持っているものに繋がるというか。ファンタジー作品ではありますが、リアリスティックな要素も持ち合わせていて、その要素を担う人間描写が丁寧だからこそ、面白さや説得力に繋がっていると思います。
そんな人間の「暗さ」を描いているからこそ、人間性の良さを感じるキャラクターに惹かれます。僕はパンダと脹相が好きなのですが、ちょっと鬱陶しいけど、情に厚く良い先輩感があるじゃないですか。パンダは呪骸、脹相は呪物が受肉した存在なのに、僕的には1番人間的な温かみを感じるキャラクターです(笑)。
――『劇場版総集編』の公開を楽しみにしている皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
テレビアニメで流れていたものと同じ素材を使っていますが、編集が加わっていることによって、まったく質感が違うものになっていると思います。また、5話に分割されていたものを通して見ることによって、読後感も変わっているように感じるのではないでしょうか。アニメで「懐玉・玉折」を見て結末を知っている方でも、おそらく新たな発見があると思います。そして、「青のすみか」がAcoustic ver.になることで、また違った作品の表情を見せてくれているかと思います。アニメとは違った奥行きに気が付けると思うので、是非まっさらな気持ちでもう1度「懐玉・玉折」の物語に触れてみてください。僕もそんな気持ちで劇場に観に行きたいと思います。