企業の新卒内定は売り手市場続く 内々定出しは4月と前倒しの傾向
2007年から2020年までの採用充足率の年次推移
マイナビが国内企業を対象とした2020年卒採用の内定状況と、2021年卒の採用の見通しなどをまとめた「2020 年卒マイナビ 企業新卒内定状況調査」の結果を発表。その結果では、2020年卒の「採用充足率」(内定者数/募集人数)は、前年4.0%下回る80.4%となり、売り手市場が続いた。2017年卒から右肩下がりとなっており、企業側の厳しい状況が続いている。
【図】外国人留学生採用を実施した企業は15.2%
◆内定者数は前年とほぼ同等数 業種別は「金融」の充足率が最も高い
業種別に見ると、「金融」(99.8%)の採用が、充足率が最も高く、「小売」(71.9%)が前年比10.2pt減と特に低い結果となった。また、前年の入社実績に対する2020年卒募集人数の割合では、全体で2019年卒入社実績よりも19.0%増で募集人数を設定している。採用充足率は減少しているが、2019年卒の入社実績と2020年卒の内定者数を比較すると、ほぼ同等数(-3.2%)は確保できているという結果となった。
◆外国人留学生を採用した企業は15.2% 2021年の採用枠増加も検討
その一方で、外国人留学生の採用も依然として、企業側の外国人を受け入れる環境整備や採用手続きが課題となっているようだ。2020年卒に「外国人留学生を採用した(する予定)+採用活動はしたが、採用できなかった」と回答した企業は15.2%。そのうち上場企業は37.0%、非上場企業は13.2%という結果となった。
また、2021年卒採用に外国人留学生の採用を予定している企業は、「採用する予定」と「検討中」で36.3%。特に上場企業は「採用する予定」と「検討中」があわせて56.1%となり、企業の半数以上が採用数を増やすことを検討していることから、課題はありながらも外国人留学生の採用意欲が高まっていることがうかがえる。
◆「内々定出し」は4月が最も高く、採用前倒しの傾向にある
2020年卒採用スケジュールの実績と、2021年卒採用スケジュールの予定を比較すると、インターンシップの開始時期は2020年卒、2021年卒ともに「8月」の割合が高く、夏からの実施傾向も変わらない。一方、2021年卒活動予定スケジュールで「面接」開始時期が、2020年卒と比べて「3月」と回答する割合が高く(2021年卒:43.2%、2020年卒:36.1%)、「内々定出し」も昨年より早まり「4月」がピークとなりそうだ。
「2020年卒マイナビ 企業新卒内定状況調査」概要
◆調査方法/人事担当者のための新卒採用支援情報サイト「新卒採用サポネット」会員にメールマガジンにて案内。「マイナビ2020」利用企業担当者宛にメールマガジンにて案内。
◆調査期間:2019年9月4日(水)告知、10月3日(木)受付締切
◆回答数:1349社(上場:109社/非上場:1,240社)